11/11/2019
【11月は口腔がん撲滅キャンペーン】
堀ちえみさんが今年3月にステージ4の舌がんになったことを公表しました。その時の気持ちを綴った「Stage For」が出版されました。
FourではなくFor・・・家族やファン、身の回りの方々への感謝と非常に前向きな姿勢が綴られています。また、1982年にデビューし、これから予定している40周年イベントで「歌いたい」という強い意志を感じました。その意味でもStage Forなのかも知れません。
歯科医師として、真摯に受け止めなければならない部分もしっかりとご自身の言葉で綴られています。決して医療従事者にたいする批判的な文章では無いと思っています。
本全体の内容は、温かい家族愛の中で非常に強く、前向きな生き方を描かれています。
以下、歯科医師として肝に銘じる部分ですし、歯科医師は必読本だと思います。
(以下そのまま引用)
P45もしあの時「口内炎が、2週間以上経っても治らなければ、舌がんを疑った方がいい」ということを、私を診た歯科やリウマチ科の医師たちが知っていれば、ステージ4までには至らなかったかも知れません。万が一、2週間以上口内炎に悩まされている方がいらしたら、いますぐに口腔外科で検査を受けてほしい。そうした警鐘を鳴らすという意味で、公表した方がいいのではないか。
P64 どん底に落ちたら、今度は真っ黒な感情が、心の中にむくむくと湧いてきました。
それは「口内炎でしょう」と言い続け、がんを見つけてくれなかったリウマチ科と歯科の医師に対する、恨みと怒りの気持ちです。あの時、異変を見過ごさずにちょっとでも調べてくれて、専門の科がある大学病院に紹介してくれていたら、私は舌を失わなくても済んだかもしれない。
舌のできものは大きくなってクレーターのようになり、さらに舌の側面のも2つできました。それらを何度もレーザーで焼いたにもかかわらず、まったく治らなかった。当然です。口内炎ではなく、がんだったのですから。(中略)
それなのに、どうしてわからなかったの?なぜ、「薬の副作用の口内炎」だと思いこんだの・・・・?
なんで?どうして?という思いが、心の中でぐるぐると回っていた。
P86 寝室のベッドの横の棚には、かかりつけの歯科から出された口内炎の薬や、リウマチの治療薬、口内炎に効くと聞いて必死に買い求めたサプリメントが山ほどありました。それを見て、私は耐えきれなくなってしまいました。舌の激しい痛み、手術のあとの絶望感、苦しみ、そして無力感・・・・。あらゆるマイナスの感情がよみがえってきたのです。
それらを振り払うべく、私は薬やサプリをすべてゴミ箱の中に投げ捨てました。
そして家族のいるリビングに戻って子どもたちと一緒に食卓を囲み、他愛無い話をしているうちに、私の心の中は幸せで満たされていき、「早くここに戻ってこよう」と思いまいした