04/11/2021
おはようございます。緊急事態宣言も解除され、徐々に元の生活が戻ってきそうな今日、此の頃です。それに紅葉も一段と綺麗になってきました。
暫くこのコラムの掲載期間を開けてしまいました。すみませんでした。漸く載せることができました。よろしくお願い致します。
今回は熱田が担当の順番です。
「高齢期のなって現れやすい歯と口の病気」
1,歯・歯肉(歯ぐき)
♦高齢期のカリエス「根面齲蝕」
▶根面齲蝕の特徴
加齢とともに歯肉(歯ぐき)が下がり、若い頃には見えなかった歯根(歯の根の部分)が見えるようになります。歯冠部(歯ぐきから出ている部分)はエナメル質で覆われており、歯根部では薄いセメント質が象牙質を覆っています。エナメル質と異なり、セメント質や象牙質はむし歯(齲蝕)になり易いことが特徴となっています。
根面齲蝕とは、露出した歯根がう蝕になった状態を言います。根面齲蝕は男性では30歳代から、女性では40歳代から増加し、歯がある高齢者の2割に根面齲蝕が認められるという報告があります。歯肉が下がった歯に対する調査では、上顎(上あご)では前歯、下顎(下あご)では臼歯に根面齲蝕ができやすいという報告があります。
根面齲蝕には、う蝕が進行していく進行性う蝕(活動性う蝕)と新古河停止している停止性う蝕(非活動性う蝕)があります。進行性う蝕は黄色あるいは明るい褐色で、歯垢におおわれ資質が軟らかくなっています。停止性う蝕は黒褐色などで表面は滑らかで歯質は硬い状態です。
▶根面う蝕のリスクファクター
根面齲蝕のリスクファクタ―には、歯肉の退縮(歯根面の露出)、根面齲蝕の既往、歯冠部う蝕の既往、歯周疾患(歯周病)、口腔乾燥(唾液分泌量の減少)、口腔清掃状態、義歯の装着、砂糖の摂取などがあげられます。
歯肉が下がる事(歯肉退縮)により歯根が露出しますが、歯肉退縮が起こる最大の要因は歯歯周疾患です。歯周疾患が重度であるほど治療後の歯根露出が多くなり根面齲蝕のリスクが高くなります。
高齢者では加齢や状用薬の副作用により唾液分泌量が減少する傾向があります。唾液が減少するとう蝕のリスクが高くなります。高齢者では義歯を装着している人が多くなります。義歯装着により口腔内が汚れやすくなり、う蝕のリスクが高くなります。
▶根面齲蝕の予防
う蝕予防の基本は、歯磨きによる歯垢除去、フッ化物の応用、甘い歌詞や飲料の摂取回数の減少や栄養バランスの取れた規則正しい食生活、定期的な歯科健診です。定期的に歯科を受診することが、口腔の健康維持に欠かせません。歯科医師・歯科衛生士により口腔内の状況や生活習慣などの評価を受け、適切な予防方法を選択することが大切です。基本的には根面の露出を起こす歯肉退縮を予防する事と、露出した根面のう蝕を予防することが大切です。
歯肉退縮の原因は、加齢による歯肉退縮、歯周疾患、不適切なブラッシング、咬合異常(噛み合わせの異常)などです。歯肉退縮を起こす最大の要因である歯周疾患の予防が、最も重要です。歯肉退縮や歯周疾患の予防のためにも、適切なブラッシング方法を身につける必要があります。
露出した歯根のう蝕予防には、歯根面の強化、口腔清掃(歯垢除去)、唾液分泌の改善、正しい食生活、定期的な歯科受診などが大切です。フッ化物には歯質強化、再石灰化促進、菌の酸産生抑制という働きがあり、歯とう蝕原因菌の両方に働きかけう蝕を予防してくれます。フッ化物配合歯磨剤の使用とフッ化物による洗口が自宅で行えます。フッ化物配合歯磨剤の使用は多くの人に受け入れやすい方法ですが、フッ化物の効果的な使用方法について歯科医師・歯科衛生士から指導を受けることが必要です。う蝕のリスクが高い人には、歯科医師・歯科衛生士によるフッ化物の歯面塗布が推奨されています。
頻繁に甘味食品を口にしている人や口腔乾燥を気にして飴を舐めている人に、根面う蝕が多発することがあります。砂糖を含む食品を頻繁に接種すると、又口の中に長時間含むとう蝕になり易くなります。菓子などの間食回数が多い人に齲蝕が多いと報告されています。う蝕の原因にならないキシリトールなどの甘味料を使用した食品が推奨されています。
▶根面齲蝕の治療
う蝕で失った歯質が浅い場合(0,5mm未満)には、フッ化物を用いて再石灰化を試みることが推奨されています。歯質の失われた部分が大きい場合には、う蝕を除去してコンポジットレジンやグラスアイオノマーセメントを用いて修復処置が行われます。根面は酸に対する抵抗性が低く、部位的に修復処置が容易でないことが多いので、治療後にも定期的な受診や適切なブラッシングが大切です。
今回は此処まででとさせていただきます。次回は「歯肉が腫れた」となります。