03/07/2026
歯牙移動法の習得が「難しい」本当の理由
〜私が26年かけて気づいたこと〜
皆さん、こんにちは。嘉数です。
今日は、私がずっと胸にしまっていた「本音」を少しだけお話ししたいと思います。
歯牙移動法の歴史は、まだ100年ほど。
アライナーでもラビアルでもリンガルでも、結局「歯に外力を加えて動かす」という原理からは逃れられません。
どんなに優れた技術でも、上手くなる方法は「経験を積み重ねて熟成させる」しかない。
私自身、とても不器用で、学生時代は課題のワイヤー曲げを他学生にお金を払ってやってもらっていたような人間です。飽きっぽい性格でもあります。
そんな私が、なぜこの困難な道を選んだのか。
それは、この分野がまだ「未熟」で「未完成」だと感じたからです。
「もしかしたら、この道のプロになれるかもしれない」という、甘い夢を抱いて。
臨床を積み重ね、有名な先生方に疑問をぶつけても、返ってくるのは
「みんな経験すること」「みんな同じような悩みを抱えている」という言葉ばかり。
3年目頃、私はこう考え始めました。
「難しい症例は誰がやっても難しい。簡単な症例は誰がやっても簡単」
だからこそ、ただ時間を重ねるのではなく、根本から問い直そうと。
診断学では、教科書が教える「病気・病態」モデルに違和感を覚えました。
治療対象の歯列は、本当に「病気」なのか?
私はこう考えるようになりました
歯列は、自己調整機能(ホメオスタシス)が作り出した、体にとって最も安定した状態である。
そして、スタンダードエッジワイズ法の限界にも向き合いました。
主線のステンレスワイヤーでは、狭い口腔内で本当の「ライトフォース」を実現するのは難しい。
そこで、低剛性ワイヤー(NiTi、TMA、ゴムメタルなど)を主線にした「低剛性エッジワイズ法」を追求しました。
結果として実感したのは、
・痛みの大幅軽減
・歯根吸収や動揺の減少
・術後安定性の向上
・ワイヤー作成の簡略化
・1日の診療数も40〜50人へと増加
今、悩んでいる先生方がはまっている「負のスパイラル」(うまく動かせない → また1から勉強し直す)は、根本原理を見誤っているのかもしれません。
私の師匠・与五沢文夫先生の言葉「できること、できないこと」「実目標」「理想概念モデル」が、晩年に「これは有機的だね」と言っていただけた瞬間、ようやく繋がった気がします。
これは、私個人の体験談です。
正しいかどうかは皆さんが判断してください。
ただ一つ言えるのは、歯牙移動法の本質を追求する道は、決して平坦ではないけれど、深いということです。
KRDontistを目指す皆さん、この道を一緒に考えていきませんか?
皆さんの臨床での「疑問」や「気づき」も、ぜひコメントで共有してください。
否定からではなく、一緒に「安心できる矯正」を考えていくのが、私たちのスタンスです。
#低剛性エッジワイズ法 #歯牙移動法 #矯正臨床